クラウドシエン × GhostDrift数理研究所、自治体・公共領域の「信頼できるAI活用」 実現に向け戦略的パートナーシップを締結
機密性の高いデータや高い正確性が求められる業務を対象に、プライバシー保護、AI判断の信頼性、検証可能性、責任設計を含む「自治体AIアシュアランス」の実装モデルを共同検討

株式会社クラウドシエン(広島市・代表取締役:神原 翔吾)と株式会社GhostDrift数理研究所(東京都新宿区・代表取締役:前木 秀光)は、行政機関・自治体・大学等における安全で信頼できるAI活用の社会実装に向け、戦略的パートナーシップを締結しました。
両社は、行政情報、機密情報、個人情報等をAIで取り扱う際に、データの送信・利用・統合・派生・保持・再利用・利用終了までを検証可能にする「プライバシーアシュアランス」の共同検討を進めます。
また、クラウドシエンは、「広島AIアシュアランス協議会(https://hiroshima-ai-assurance.com/)」に参画し、自治体・公共領域の現場知見と導入ノウハウを生かして、同協議会の成果を公共分野の実装につなぐ取り組みを進めます。
なぜ今、自治体AIの「データ利用」を検証する必要があるのか

自治体におけるAI活用は、文書作成や情報検索、問い合わせ対応、申請・審査支援、庁内業務の効率化など、さまざまな領域へ広がりつつあります。一方、行政が扱う業務の中には、機密性の高い情報を取り扱うものや、誤った出力・判断が住民サービスや行政運営に影響し得るため、高い正確性と説明責任が求められるものがあります。
こうした領域では、「AIを導入できるか」「便利か」だけでは十分ではありません。
どのデータをどの条件でAIに利用させるのか、AIの出力をどの条件なら採用できるのか、どこから人間の確認・承認を必要とするのか、そして後からその判断や処理を検証できるのかまでを一体として設計する必要があります。
・機密情報・個人情報等を、どのAI・環境で、どの条件なら利用できるか
・AIの回答や判断が、必要な根拠・条件を満たしているか
・AIへの入力から出力、承認、実行までのプロセスを後から検証できるか
・AIに任せる範囲と、人間が判断・承認すべき範囲をどのように定めるか
これらは単なる情報セキュリティの問題ではありません。AIにデータを渡す前から利用終了まで、「誰が、どの条件で、その利用を認めたのか」を管理するAIガバナンスの問題です。
欧州ではEU AI Actが2026年8月に原則適用段階に入り、AIシステムの透明性やリスク管理に関する義務が具体化しています。日本でもデジタル庁が2026年6月に「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン 第2.0版」を策定し、行政機関における生成AIの利活用促進とリスク管理を一体で整理する動きが進んでいます。個人情報保護委員会も、生成AIへ個人情報を入力する場合の個人情報保護法上の留意点を示しています。
問題の焦点は、「AIを行政で使えるか」から「どのデータを、どのAIに、どの条件なら使わせてよいか」へ移りつつあります。しかし、これらをデータライフサイクル全体にわたって一貫して検証可能にする実装モデルは、まだ十分に確立されていません。
自治体AIアシュアランスにおける4つの共同検討領域
両社は、以下の4領域を中心に共同検討を進めます。
① データ・プライバシーアシュアランス
機密情報、個人情報、行政文書等をAIで取り扱う際に、どのデータを、どのAI・環境へ、どの目的・条件で利用できるかを事前に定め、その条件への適合を検証する仕組みを検討します。AIへの入力時点だけでなく、利用目的、他データとの統合、派生情報の生成、保持、学習利用、再利用、第三者提供、利用終了後の削除・保持・再利用停止等を含むデータライフサイクル全体を対象とします。
② AI出力・判断の信頼性
正確性が求められる行政業務において、AIの回答や判断をどのような条件・根拠・証拠がそろった場合に採用できるのかを検討します。AIの出力をそのまま正解とみなすのではなく、採用条件をあらかじめ定義し、条件を満たしているかを確認できる仕組みを目指します。
③ AI利用プロセスの検証可能性
AIへの入力、処理、出力、判断、承認、実行までのプロセスについて、必要な条件・証拠・検証結果を記録し、後から第三者が確認できる仕組みを検討します。
④ 責任境界・人間による承認
AIに任せることができる範囲と、人間による確認・承認が必要な範囲を明確化し、必要な条件・証拠・権限がそろわない場合にはAIの判断を採用しない、または処理を進めない仕組みを検討します。
具体的な対象業務・データについては今後両社で選定します。住民情報等の個人情報に限らず、機密性の高い行政情報を扱う業務、高い正確性や説明責任が求められる業務などを対象に、自治体現場で実装可能なユースケースを検討します。
両社の役割

両社は、本提携の第一弾として、プライバシーアシュアランスに関する以下の4つの領域を中心に共同検討をまずは進めます。
① AIへのデータ送信条件
どの行政情報を、どのAIサービスへ送信してよいか。送信可否の判断基準を事前に定め、その基準に基づく送信記録を残す方法を検討します。
② 利用目的・統合・派生利用
送信されたデータが、許可された目的・範囲の処理にのみ使われているかに加え、他のデータとの統合や、プロファイル・要約・特徴量などの派生情報の生成について、どこまでを許容するかを事前に定め、確認する仕組みを検討します。
③ 保持・再利用・再提供
AI事業者側でのデータ保存、学習利用、第三者への提供などについて、事前に設定した条件との一致を確認できるかを検討します。
④ 利用終了
利用終了後に、当該データの利用可能性が残っていないことを、受信先から得られる証拠等に基づいて検証可能にする方法を検討します。
たとえば行政情報検索、補助金等の審査・検査業務、自治体内部の業務効率化・業務改善など、自治体が日常的に扱う情報がAIに渡される場面を具体的なユースケースとして想定します。
◆ クラウドシエンの役割
自治体等の現場ニーズの整理、具体的なユースケースの選定、
行政業務に即した導入要件・運用要件の整理、実証・導入に向けた調整を担います。
◆ GhostDrift数理研究所の役割
データ利用条件の形式化と、送信・利用・統合・派生・再提供・保持・利用終了までの
条件を機械的に検証するプライバシーアシュアランス技術の設計を担います。
広島AIアシュアランス協議会への参画
クラウドシエンは、本パートナーシップとあわせて「広島AIアシュアランス協議会」に参画します。
同協議会は、企業・自治体等によるAIの社会実装において、AIの出力そのものだけでなく、データの取り扱い、判断条件、証拠、責任の所在などを第三者が検証可能な形で残すための実装モデルを検討する場です。
今回の参画により、クラウドシエンが持つ自治体との接点、行政業務への理解、公共分野における導入プロセスの設計ノウハウが加わります。公共機関の現場ニーズを技術検討・実証に反映するとともに、その成果を実際の業務で導入できる形に具体化することで、同協議会の公共分野における社会実装体制を強化します。
両社はまず、プライバシーアシュアランスを具体的な検討テーマとして取り組み、公共分野で得られる導入要件や実装上の知見を同協議会に還元していきます。
両社代表コメント
株式会社クラウドシエン 代表取締役 神原 翔吾
自治体にAIを導入して終わりではなく、行政や住民が信頼して使えるところまで実装する必要があります。特に、機密性の高い情報を扱う業務や、正確性・説明責任が求められる業務では、「AIを使った」という事実だけでなく、どの条件で利用し、どの根拠でその結果を採用したのかを説明できることが重要です。GhostDrift数理研究所との連携により、プライバシー保護を含めた自治体AIアシュアランスの実装モデルを、広島からつくっていきたいと考えています。
株式会社GhostDrift数理研究所 代表取締役 前木 秀光
AIを信頼して社会実装するためには、出力の精度だけでなく、どのデータをどの条件で利用し、どの証拠に基づいて判断を採用し、どこで人間が責任を持つのかまで設計する必要があります。クラウドシエン社が持つ自治体現場への実装力と、当社の検証技術を組み合わせることで、行政という高い信頼性が求められる領域におけるAIアシュアランスの実装基盤を共に構築していきます。
今後の展開

両社は今後、自治体業務における具体的なAI活用場面を選定し、業務ごとに求められる機密性、正確性、説明責任、データ利用条件、AI判断の採用条件、人間による承認、必要な証拠・検証方法を整理します。その上で、自治体におけるAI実証・導入時に利用できる「自治体AIアシュアランス」の実装モデル構築を目指します。
具体的な実証対象は、住民情報等を扱う業務に限定せず、庁内文書、問い合わせ対応、申請・審査支援、契約・調達、制度・法令検索など、機密性や正確性、説明責任が求められる領域から選定する方針です。自治体領域で得られる知見を起点に、将来的には医療・健康、金融、重要インフラなど、高い信頼性が要求される領域への応用も視野に入れます。
さらに、製造・物流をはじめ、医療、金融、公共などAIアシュアランスの必要性が高い領域への普及を見据え、補助金・助成金等の活用可能性も踏まえた導入支援パッケージの検討を進めます。各分野での実装を積み重ねることで、日本におけるAIアシュアランスの社会実装と普及につなげていきます。
■ クラウドシエン会社概要
社名:株式会社クラウドシエン
代表取締役:神原 翔吾(かんばら しょうご)
所在地:(本社)広島県広島市中区宝町8-26 3F
会社設立:2018年5月29日
事業内容:クラウドシエンの企画・開発・運営
■ 株式会社GhostDrift数理研究所
代表者 前木 秀光
所在地 東京都新宿区北新宿4-4-4
設立 2026年2月10日
事業内容 高責任領域(物流・製薬・金融・重要インフラ等)におけるAIアシュアランス、サイバーアシュアランス技術の設計・実装支援
URL https://www.ghostdriftresearch.com
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