北海道東川町から、これからの住まいのあり方を提案。「ひゃくとわ」がグッド デザイン賞・ベスト100に選出

北海道東川町にある、100年先の風景を見据えた、新しい共住のかたち「ひゃくとわ」が、2026年度グッドデザイン賞を受賞し、さらに受賞対象の中から選ばれるベスト100に選出されました。ベスト100は、グッドデザイン賞を受賞した対象の中から、明日を拓くデザイン、未来を示唆するデザインとして、特に高く評価された100件に贈られるものです。
今回の受賞では、個人の住まいでありながら、新しい地域振興と居住形式の試みとして高く評価されました。
100年先まで続く、新しい住まいのかたち
「ひゃくとわ」は、北海道東川町に建てられた100年先まで続く家を目指すプロジェクトです。目指したのは、一つの家族が住み継ぐ家ではなく、さまざまな人々が共に住みながら、この土地を育てていく住まいのあり方です。
100年という時間を考えたとき、家族という単位だけで、この土地の暮らしを捉えることはできません。家族のかたちも、社会のあり方も時代とともに変化していくからです。そこで私たちは、暮らしの単位を「家族」から「共に住む」へと捉え直しました。
ひゃくとわでは、施主と未来の住民が一つの建物に共に暮らし、住む人が少しずつ入れ替わっていく仕組みを取り入れています。そこでは、ある人が育てた果物を次の誰かが味わったり、かつて暮らした人の営みや趣味の痕跡が残されたりと、人々の暮らしが時間を超えて重なり、受け継がれていきます。一人ひとりの小さな営みが積み重なり、やがて土地の記憶となり、その場所ならではの風景をつくっていく。建築は、そうした営みを受け止め、ときには次の暮らしへの手がかりを与える存在でもあります。
私たちは、暮らしと風景は切り離せないものだと考えています。「暮らしを重ねる」という試みを通じて、人々の営みをこの土地に積み重ね、次の世代へと継承していく。そうして、100年先までも続く新しい東川の風景をつくり出していきます。






暮らしの積み重ねが、土地の風景をつくる
ひゃくとわの構想と設計は、株式会社irodoriの一色氏と施主である遠又家、そして地域の仲間たちとの協働によって進められました。
目指したのは、従来のLDKという間取りや、一般的な住宅のあり方にとらわれず、家族という単位を超えて、人々が共に暮らし、土地との関係を育んでいく住まいです。そこでは、住む人それぞれの営みが、この土地に少しずつ積み重なっていきます。誰かが育てたものを次の誰かが受け継ぎ、かつて暮らした人の痕跡が次の暮らしの手がかりになる。そうした人々の営みの連なりを、建築が受け止め、次の世代へとつないでいくことを考えました。
建築という空間をつくることだけでなく、そこでどのような暮らしが生まれ、どのように受け継がれていくのか。ひゃくとわは、建築と人々の営みが共にこの土地を育てていくプロジェクトです。
審査委員による評価コメント(抜粋)
「自らの所有不動産を100パーセント専有せず、ほぼその半分をまだ見ぬ未来の住民に解放した提案である。敷地のある東川町は空港至近の立地に加え、さまざまな文化的な施策により町外からの来訪者が多いことで知られている。それはそもそも町の関係人口を増やすことによって町の活力を高める施策の成果であるが、このような住宅の形式を持つことは、住民票を移すまでには至らないが半住民的な暮らしを求める人々の潜在的なニーズにかなうものだろう。施主も含め将来は顔見知りの『のり代』を持ちながら住民は入れ替わっていくのだが、その半分ずつの入れ替わりという仕組みによって、コミュニティも有機的につながっていくことになる。新しい地域振興と居住形式の試みとして高く評価した。」
これからも、100年先の風景につながる暮らしを
土地や建物を所有する期間は、連綿と続く地域の歴史や自然の時間の中では、ほんの一瞬にすぎません。だからこそ、今ここに関わる人たちと共に、地域のコミュニティや自然に寄り添いながら、この美しい風景と暮らしの営みを、次の世代、そして100年先へとつないでいきたいと考えています。
今回の受賞を一つのきっかけとして、ひゃくとわのように、自然や地域コミュニティと協働する建築や暮らしのあり方を、より多くの人と考え、実践していくことを目指します。
建物をつくることから、人と人との関係をつくることへ。そして、一つの住まいから、地域の未来を考えることへ。
ひゃくとわは、これからも多様な人々と共に、新しい暮らしの可能性をひらいていきます。
◼︎ひゃくとわ概要
所在地:北海道東川町
建築設計:一色ヒロタカ
構造設計:田畑孝幸+田畠隆志 (ASD)
設備設計:高瀬幸造 (東京理科大学)
インテリア:浜辺令(Less)
造作家具:清水徹+遠藤覚(東10号工房)
建築施工:雅建築企画
電気施工:sunaco
機械施工:岡本住宅設備
敷地面積:1075.25m²
建築面積:187.15m²
延床面積:187.15m²
竣工:2023年4月
受賞:
・第49回北海道建築建築賞 北海道建築奨励賞
・2026年度グッドデザイン賞ベスト100選出
◼︎ひゃくとわ
公式Instagram
https://www.instagram.com/hyakutowa_higashikawa/
◼︎本リリースに関する問い合わせ:
一般社団法人Studio Taisetsu
「関わるほど面白くなる風景をつくる」を理念に、人・経済・自然のつながりから、新しい価値や風景を生み出すチーム。
人材、資金、不動産、クリエイティブなど、多様なリソースをつなぎながら、地域プロジェクトの企画・ディレクション、資金調達支援、事業共同経営などを通じて、一人ひとりの「本当にやりたいこと」を形にしていく。
公式HP https://www.studio-taisetsu.jp/
公式Instagram https://www.instagram.com/studio_taisetsu/
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